どんどん先行してくれている人もいるようなので、授業ノートも進めておきます。なかなか更新できてなくてすいません。
あんまり先行しちゃうのもどうかなーと思っていたのですが、そろそろそんなこと言っている場合ではなくなってきた…。置いてかれてる人大丈夫かなぁ。
さて、この単元ではヨーロッパの海外進出をみていきます。大まかにわけて、アジア方面と新大陸方面。それぞれ順番に見ていきますが、前回の各国の政治状況を思い出しつつ、確認していきましょう。重商主義政策がキーワード。自国の経済を発展させるべく、積極的に海外進出に乗り出します。絶対王政による統一的な権力ができあがっているのも一因です。単元的にはどうしても分かれてしまいますが、全部ひと続きの出来事であることをお忘れなく。
さて、大航海時代以降、アジア方面への進出は進んでいましたが、それはあくまで貿易の一環として。実質的に支配に乗り出すのは18世紀頃からです。
貿易で稼ぐより、自分の領地にしちゃった方が手っ取り早く稼げるのでは…?ってことに気がつくわけです。
大航海時代に中心的な役割を果たした、ポルトガルはインドのゴア、スリランカ・マラッカ・モルッカ諸島・中国のマカオなんかを獲得し莫大な利益をあげます。しかし、ポルトガルは王室が富を独占したため国内にはその利益の恩恵があまりありませんでした。その結果、国力の発展が遅れます。それゆえ、お隣スペインの影響下におかれることになってしまいます。海外領土はスペインに継承され、「太陽の沈まぬ国」が形成されます。
スペインは、フェリペ2世時代にフィリピンを獲得。(フェリペにちなんでフィリピンです。安直。)拠点はマニラ。ここで、スペインの銀貿易を思い出す。新大陸の銀は、メキシコのアカプルコとマニラをガレオン船でつなぎます。何度も出てきますが、何度でも確認しましょう。
オランダは、独立戦争中に東インド会社を設立、ジャワ島のバタヴィア(現ジャカルタ)を拠点にアジア貿易を展開します。独立後は、アムステルダムを中心に中継貿易で繁栄します。アムステルダムは国際金融都市としてヨーロッパ随一の発展をみせます。
アンボイナ事件でイギリスにいちゃもんつけてイギリス商館員を虐殺すると、インドネシア全土に勢力を広げ、オランダ領東インドを形成していきます。イギリスは、アンボイナ事件後インドネシアから手を引いて、インド支配に力を入れることになります。
あと、ケープ植民地(アフリカ)形成もこの時期。ケープはナポレオン戦争後のウィーン会議の時にイギリス領になります。そんで、このケープ植民地を中心に、のちのアフリカ縦断政策が展開されることになりますが、それはまた後の話。
発展を続けるオランダですが、中継貿易中心で自国の産業がいまいち弱い。そのため、毛織物産業を基幹産業として発展させていったイギリスに遅れをとることになっていく。1651年クロムウェルの航海法による打撃と3回の英蘭戦争での敗北により制海権はイギリスに移っていきます。
イギリスは、アンボイナ事件後インド経営に力を入れます。マドラス・ボンベイ・カルカッタが拠点。場所も押さえたいので地図を要確認。英蘭戦争でオランダを破り、優位にたちます。で、最後のライバルがフランス。
まあ百年戦争の頃から因縁は深く、またか…という感じですが、この時期のイギリスVSフランスは、ハプスブルク家VSフランス王家にかわる新たなヨーロッパの対立軸となっていきます。これを第二次百年戦争なんて言ったりします。またか。ただ、今回は地元でドンパチやってるだけでなく、世界規模で展開されています。おもな争点は3つ。ヨーロッパ・インド・北米です。
ヨーロッパでは、前回登場しましたが、スペイン継承戦争・オーストリア継承戦争・七年戦争。全部イギリスとフランスは敵対しています。オーストリア継承戦争と七年戦争では、外交革命により敵味方は入れ替わりますが、やっぱり対立。こちらでは、七年戦争の結果、プロイセンについたイギリスの勝利で終わります。勝ち星1☆
インドでは、イギリスはマドラス・ボンベイ・カルカッタ、フランスはシャンデルナゴル・ポンディシェリを拠点に覇権を競います。そもそもこの時のインドですが、ムガル帝国期です。しかし、インドは他民族他宗教でなかなか統一が難しい。アウラングゼーブの後、国内が混乱したのに乗じて、英仏が侵入することになります。
七年戦争と平行して、インドでも1757年プラッシーの戦いがおこります。カルカッタとシャンデルナゴルの近くですね。ここでもイギリスが勝利し、フランスはインドから手を引くことになります。勝ち星2☆
さて、アメリカも見ていきましょう。南アメリカ大陸は、大航海時代以降スペイン、ポルトガルが主に獲得しています。トルデシリャス条約とか、授業の最後でぎりぎり触れたようなそうでもないような…。一部ポルトガル権益獲得に乗り出したオランダがもってます。問題となるのは、北米。ここでも英仏の抗争が勃発します。
フランスは、ケベックを中心にカナダ方面に進出します。ケベックはいまでもフランス系の住民が多い地域。実は今でも定期的にフランス系住民による独立運動が起こっています。たまにニュースになる。フランスはそこからさらに領土を広げ、広大なルイジアナを形成します。(ルイ14世にちなんでルイジアナ。安直。)
イギリスは、東海岸にヴァージニア植民地を形成します。(処女王エリザベス1世にちなんでヴァージンとかけてます。センス…。)16世紀のウォルター=ローリーのヴァージニア植民は失敗しますが、17世紀には最初の植民地となります。
ジェームズ1世の時期には、国教会の強制から逃れてピューリタンの人々が移住してきます。ピルグリム=ファーザーズによるメイフラワー号でのプリマス上陸。これを中心にニューイングランド植民地を形成します。その後植民地は拡大し、東海岸に13植民地ができあがります。のちのアメリカ独立の基盤となる州たちです。あと、オランダがつくったニューアムステルダムを奪って、ニューヨークと改称。(アムステルダムもヨークも本国の地名。安直。)
イギリスはスペイン継承戦争の結果、フランスからニューファンドランド・アカディア・ハドソン湾を獲得。七年戦争と並行して、北米でもフレンチ=インディアン戦争が展開されます。ここでもイギリス勝利。1763年のパリ条約でフランスは北米領土のすべてを失います。勝ち星3☆
勝ち星を3つ並べたイギリスは、フランスとの覇権争いに完全勝利し、大英帝国の基礎を築きます。この豊富な植民地が、今後のイギリス発展を支えるので要チェック。産業革命がイギリスから始まる原因のひとつでもあります。
さて、広大な植民地ではなにが行われたのでしょうか。アメリカ大陸では、すでにラテンアメリカで鉱山採掘などがおこなわれていましたが、過酷な労働と疫病の流行で労働人口が激減しています。大規模なプランテーション農業をやるには労働力が必須。じゃあどうする。自分じゃ働きたくない。よし、どこからか連れてこようそうしよう。
というわけで、手頃な労働力としてアフリカから黒人奴隷が大量に連れてこられます。現在のアメリカに黒人の人たちがたくさんいるのは、この経緯によります。未だに解決しない黒人差別の問題も遡ればここにたどり着くわけですね。歴史の闇…。
ヨーロッパからアフリカに武器や雑貨を、アフリカからアメリカ大陸に黒人奴隷を、アメリカ大陸からヨーロッパにプランテーションでつくった綿花・砂糖・タバコ・コーヒーなどなどが送られます。ものとお金がぐーるぐる。これが大西洋の三角貿易。
あとで、英中印の三角貿易もでてくるので、混ざらないように。
三角貿易にすると、お金が回り回って結局ヨーロッパ本国が儲かるようにできてるのよね。労働力安いし。これによって、ヨーロッパとその他の国との経済格差はどんどん広がります。現在の世界における経済格差の一旦がみえる…。
こうやって世界経済は、自国や周辺地域だけでなく世界的にモノやお金がやりとりされるシステムに組み込まれていきます。現在の社会問題を考えるひとつの指針にもなるでしょう。このへんやってると、なんだか悲しくなってしまうんだけど、これらの問題は自分の問題として考えていかないといけないよね。
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